ヘヴィ・メタルの開祖

1980年代に隆盛を極めた『ヘヴィ・メタル』。このジャンルには、開祖がいます。『ブラック・サバス』です。

1968年に、イギリス・バーミンガムで結成。ボーカルのオジー・オズボーンが、新聞に新バンド結成のためのメンバー募集の公告を出したことが契機でした。

バンド名は当初「Earth」と名乗っていましたが、ベースのギーザ・バトラーが、1964年に公開されたホラー映画『BLACK SABBATH』(邦題『ブラック・サバス/恐怖!三つの顔』)から取って改名します。デビュー・アルバム『黒い安息日』(全英8位、全米23位)は、1970年の「13日の金曜日」という曰くつきの日に発売されます。

同年リリースの2ndアルバム『パラノイド』(全英1位、全米12位)からシングルカットしたタイトルナンバー「Paranoid」がスマッシュヒット。その後、1975年発表の6thアルバム『サボタージュ』(全英7位、全米28位)まで、全英・全米ともにアルバムチャート上位にランクイン。特に5thアルバム『血まみれの安息日』(全英4位、全米11位)まで、全英・全米ともにアルバムチャート上位にランクイン。までの作品が、いずれも全米で100万枚以上の売り上げを記録します。

1976年、この時期から新たな音楽の波「パンク/ニュー・ウェイヴ」のムーブメントが到来し、既存のロック・ミュージックは徐々に終息していきます、らそれは当バンドも例外ではなく方向性の相違もあり、メンバー間にも不協和音が漂い始める。特にオジーが重度のアルコール問題を抱えていました。1977年に、遂にオジーを解雇。後任にデイヴ・ウォーカーを起用したが上手くいかず、翌年に呼び戻されて復帰。しかし制作した8thアルバム『ネヴァー・セイ・ダイ』(全英12位、全米69位)が酷評されて芳しくありませんでした。そして結局アルコール問題が改善されなかったオジーは、再度解雇されます。

1979年、オジーの後任として「レインボー」を脱退したばかりのロニー・ジェイムス・ディオが加入。そのレインボーのサウンドと融合し、新たな様式美スタイルを展開した9thアルバム『ヘブン&ヘル』(全英9位、全米28位)を翌年に発表。業界からも高い評価を受けます。

1980年、オリジナル・ドラマーのビル・ワードが脱退。その後、ワードは、短期の復帰を繰り返している。アルバム『悪魔の掟』(全英12位、全米29位)を発表するも、中途半端にオジー時代の音楽性に回帰した作品で、前作で顕著だったロニーのボーカルの持ち味が活かされておらず、不評でした。

1982年、ロニーがリーダーバンド「ディオ」結成に向けて脱退。後任に元「ディープ・パープル」のイアン・ギランが加入するが、こちらもディープ・パープル再結成参加のため、1984年脱退。ロン・キールが一時加入するがすぐ解雇。その後、オーディションでデヴィッド・ドナートが加入しますが、ドナートもすぐに解雇され、ボーカリスト不在のまま活動は停滞しきます。

1985年、、この年に世界規模の大型チャリティー・コンサート『ライブ・エイド』が開催。バンドはオリジナル・メンバーによる、一度きりのラインナップ復活として参加します。

オリジナル・メンバー、ギーザー・バトラーが脱退。トニー・アイオミは、これを機にバンドを活動停止し、ソロ・アルバムの制作に着手する。翌年にレーベルからの強い要請により、完成したアルバム『セブン・スター』(全英27位、全米78位)をブラック・サバス名義でリリース。ゲストに招いていたグレン・ヒューズ等が、そのままツアーのバンド・メンバーとなった。グレンはそのままバンドとしてのブラック・サバスの正式メンバーになり活動する予定だったが、アルコール、ドラッグによる体調不安や負傷でツアー直前に解雇される。その後、サポートにレイ・ギランが加入。しかしアルバム『エターナル・アイドル』のレコーディング途中で解雇されてしまいます。

1997年、正式にオリジナル・メンバーでの再結成を果たす。以降、当ラインナップ以外でブラック・サバスとは名乗らないと宣言。1998年にはライブ・アルバム『リユニオン』(全英41位、全米11位)をリリースし、数年間にわたってツアー活動を行うが、新しいスタジオ・アルバムは制作しませんでした。2000年、楽曲「Iron Man」にグラミー賞受賞。2006年『ロックの殿堂』入り。この年でリユニオン体制の活動が停止。

2007年、トニー・アイオミが、10thアルバム『悪魔の掟』時代のメンバー編成でツアーを行うと発表。ブラック・サバスとして事実上の変名『ヘヴン・アンド・ヘル』でツアーを行うと発表。名義で活動しますが、2010年、ロニーが他界し、ヘヴン・アンド・ヘルの活動が停止。

2013年、18年ぶりのスタジオ・アルバム『13』をリリース。デビューから43年目にして、初めて全米チャート1位(全英1位)を獲得。各国でも軒並み1位ないし上位にランクインします。2014年、楽曲「God Is Dead?」で『グラミー賞』受賞。2016年、バンドの最後となるワールドツアー「THE END」を開始。2017年、バンド発祥の地・バーミンガムで最後を飾るラスト・ライブを開催。約50年に渡る活動の幕を閉じる。後日、トニー・アイオミは、将来復活する可能性に含みを残しました。

オジーは、『メタルのゴッドファーザー』として崇拝され、現在でも影響を与えています。



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