日本のフォークの神様

アメリカで確立され、世界的なブームとなった『フォーク・ミュージック』。ボブ・ディラン・ジョーン・バエズなどを排出しました。日本にも、その波を受けたひとりのアーティストがいました。それが『岡林信康』です。

1946年に滋賀県近江八幡市に誕生します。父親は新潟県出身で30歳まで新潟で農業をしていました。しかし、閉鎖的な村社会が嫌になって故郷を飛び出し、滋賀県の紡績工場に就職します。その時期に宣教師のウィリアム・メレル・ヴォーリズ出会い、牧師となるため大阪の神学校に通った後、近江八幡市の田んぼのど真ん中に西洋建築の教会を建てました。

その後、社会主義運動に身を投じる中で、高石ともやに出会いギターを始めます。1968年、京都で行われた第3回フォークキャンプに参加。同年9月、山谷に住む日雇い労働者を題材とした「山谷ブルース」(65位)でビクターよりレコードデビュー。翌年までに、「友よ」「手紙」「チューリップのアップリケ」、「くそくらえ節」(81位)、「がいこつの歌」など、名作・問題作を発表。その内容から、多くの曲が放送禁止となります。当時、岡林とともに高石友也、高田渡、加川良、五つの赤い風船なども活躍し、プロテスト・フォーク、反戦フォークが若者の間でブームとなります。中でも岡林は一世を風靡し、「フォークの神様と言われたが、勤労者音楽協議会との軋轢や周囲が押しつけてくるイメージと本人の志向のギャップ(同時期、岡林はすでに直接的なプロテストソングに行き詰まりを感じており、ロックへの転向を模索していた)などにより1969年、3カ月余りのスケジュールを残したまま一時蒸発しました。書き置きは「下痢を治しに行ってきます」でした。

1970年、コンサートに再登場、「ごめんやす。出戻りです。お互い堅くならんといきましょう」と話しました。この時期からボブ・ディランに影響を受けたロックを、当時無名だったはっぴいえんどをバックに展開し始めます。「それで自由になったのかい」「私たちの望むものは」「自由への長い旅」などの作品を発表、喝采を浴びて東京に移り住み、一夫一妻制を唱えて自由なヒッピー風生活をするが行き詰まります。

1971年の日比谷野外音楽堂での「自作自演コンサート 狂い咲き」および、「第3回中津川フォークジャンボー」を最後に、再び表舞台から姿を消します。

1973年にソニーへ移籍し、活動を再開。松本隆をプロデューサーに迎え制作されたロック路線のアルバム『金色のライオン』、『誰ぞこの子に愛の手を』などを発表。いかに今まで無理してきたかを普通の表現法では無理だったため、ディラン風の暗喩を多用した「あの娘と遠くまで」、「26番目の秋」などの曲などを発表するが、相変わらず「フォークの神様」を期待するファンは多かっだそうです。

1975年には、岡林本人もコロンビアに移籍し、演歌路線のアルバム『うつし絵』(25位)をコロムビアより発表。美空ひばりの後押しも受け、12月に中野サンプラザで久しぶりのワンマンコンサートも行いました。コロムビアでは他に、新録の2枚組ベスト・アルバム『岡林信康』、私小説的弾き語りの『ラブソングス』を発表。また、この頃、サザンオールスターズがブレイクする前のアミューズに所属していました。

古巣のビクターに再び移籍し、さらに『街はステキなカーニバル』(39位)、『ストーム』、『グラフィティ』を発表し路線を深めていきます。ミッドナイト・トレイン」、「Good-bye My Darling」、「山辺に向いて」などがこの時代の代表曲です。

2009年の九段会館のコンサートで「越後獅子の唄」をカバーしたことをきっかけに、翌2010年、EMIから美空ひばりのカバー曲を中心とした『レクイエム〜我が心の美空ひばり〜』を発表。5月には久々となる全国ツアーも行いました。

2011年、「岡林信康コンサートツア-2011」を行い、東名阪のZEEPでライブを行います。2012年、14年ぶりに作詞作曲をした自主制作シングル「さよならひとつ」を発表します。2016年にはフリー・ジャズの山下洋輔とも共演しました。

2021年、「風詩」以来23年ぶりのオリジナル・アルバム『復活の朝』を発売しました。

現在、75歳。盛んに活動中です。



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日本のフォークの神様」への1件のフィードバック

  1. Legendの一人ですね。日本のR&RHallOfFameができれば、その中に入る一人でしょう。私の世代より一つ上の1940-50くらい生まれの世代のカリスマでした。音とメッセージの形に悩んで、かなり苦労されていたようです。一度80年の横浜TVKのFighting80のゲストで出演されたのをみたことがあります。友よ はあの頃のプロテストFolkの名曲でした。

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